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◆リーグ連覇へ 開幕5連勝
昨シーズン圧倒的な強さでJ1を制した川崎フロンターレが、今シーズンも首位を快走している。ここまで5戦全勝。自慢の攻撃では13得点をマークし、守備陣も失点3と好守で安定感を見せている。
特に、チームの要であるMF三笘薫と得点源のFWレアンドロダミアン、FW家長昭博の超強力攻撃陣3選手を含む6人を前の試合から入れ替えたにも関わらず、5―1で勝利した6日の仙台戦は、川崎のチーム力を象徴する試合だった。
ここまでの戦いを見れば、川崎が優勝候補の筆頭であることは疑いようがない。そんな中、最大にして唯一ともいえる不安は過密日程だ。川崎も出場するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は、新型コロナウイルス感染拡大により急きょ日程が変更された。当初は4月下旬に始まる予定だったが、アジア・サッカー連盟(AFC)は11日、6月と7月に延期すると発表した。
ACLの1次リーグは、それぞれのチームが6試合ずつを消化する。川崎は6月19日から7月3日までの2週間に、J1のリーグ戦5試合が組まれている。天皇杯も6月から始まる。1年で最も疲れがたまる梅雨から夏場にかけて、ここまでの過密スケジュールは選手層の厚い川崎といえども、頭の痛い問題だろう。
さらに、この時期は代表の試合や東京オリンピックが予定されていて、川崎からは多数の選手が選出されることが予想される。コンディションの低下や戦力ダウンは避けられない状況だ。
◆異例の超過密日程
サッカー専門誌の記者は「ACLのタイトルがほしい川崎には、6月、7月のリーグ戦で疲労やけが人の影響が出るはず。今のようにチームがうまく機能しているときはいいが、チーム状態が悪くなったときに、どこまで傷を小さくできるかが大切」と指摘した。さらに、「三笘をはじめ能力の高い選手が多いのは間違いないが、若い選手が多く、リーダーシップを発揮するタイプが少ない。長年、精神的支柱だった中村憲剛のような存在がいないと、悪い流れを断ち切れず失速する可能性はある」と続けた。
今シーズン、王者の風格で無双状態の川崎フロンターレ。異例の超過密日程という敵も撃破することができるのだろうか。
スポーツメディア「New Road」編集部
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