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◆メジャー屈指の打者も1年目は苦戦
メジャー2年目のレイズ・筒香嘉智が29日(日本時間30日)、オリオールズとのオープン戦で1号ソロを放った。DeNAからレイズに移籍した筒香嘉智は昨シーズン、打率.197、8本塁打、24打点と苦しんだ。西武からレッズに加入し、筒香と同じくメジャー1年目だった秋山翔吾は終盤に成績を上げたが、打率.245、0本塁打、9打点に終わった。
ともに、日本ではタイトルを獲得するなど、球界を代表する選手。誰もがその実力と実績を認めているが、世界最高のリーグで1年目から活躍するのは簡単ではなかった。
メジャートップクラスの打者でも、1年目から結果を残すのは難しい。ヤンキースの主砲、アーロン・ジャッジは2013年のドラフト1巡目追補(FAで選手を失った球団に補償される指名権)で指名された。2016年のシーズン開幕前には、ヤンキースの若手有望選手の4位に入った。そして、そのシーズンにメジャーデビューしたが、27試合で打率.179、4本塁打、10打点。84打数のうち、三振は42と半分を占めた。
翌年の2017年、ジャッジは開幕戦に「8番・右翼」で先発出場。最初の打席で適時二塁打を放った。その6日後にはシーズン第1号を放った。レギュラーに定着し、4月は打率.303、10本塁打、20打点。打順も中軸を任されるようになり、6月からは「ヤンキース最強打者」が座る3番を主に務めた。最終的には155試合に出場し、打率.284、52本塁打、114打点。本塁打のタイトルを獲得した。
◆「現役最強打者」も2年目に飛躍
俊足、強打。「現役最強打者」ともいわれるエンゼルスのマイク・トラウトも、例外ではなかった。2009年のドラフト1巡目(全体25位)で指名されて入団。マイナーで圧倒的な数字を残し、2011年開幕時には「ナンバーワン有望株」に選ばれた。しかし、メジャーの壁は高かった。出場は40試合にとどまり、打率.220、5本塁打、16打点に終わった。
メジャー2年目は開幕こそマイナーで迎えたが、4月末にメジャー昇格すると一気にチームに欠かせない存在にまで成長した。打率.326、30本塁打、83打点。49盗塁でタイトルを獲得した。新人王にも選出され、リーグMVPでは三冠王のミゲル・カブレラ(タイガース)に次ぐ得票を集めた。2年後の2014年に打点王に加えて、自身初のMVP。2019年に3度目のMVPに選ばれるなど、数々のタイトルを手にしている。
2007年に新人王、2008年にはア・リーグ最多213安打を記録し、MVPにも輝いたレッドソックスのダスティン・ペドロイアも、メジャー1年目は球団やファンの大きな期待に応えることができなかった。期待の若手トップ50の11位にランクインされた2006年は、31試合で打率.191、2本塁打、7打点。ただ、98打席で三振は7つと、フルスイングをしながら三振が少ない打撃スタイルは、すでにできあがっていた。
筒香も秋山もメジャー1年目に、飛躍へのきっかけをつかんだはず。偉大なメジャーリーガーのように、2年目に上昇カーブを描くことができるのか注目される。
スポーツメディア「New Road」編集部
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