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◆劇的展開でも視聴率伸びず
26日に日本テレビ系で生中継された巨人とDeNAの開幕戦の世帯視聴率が、8.8%だったと複数のスポーツ紙が報じている。
巨人の先発はエースの菅野智之で、DeNAは三浦大輔監督の初陣。試合は巨人の亀井善行が代打でサヨナラ本塁打を放つ劇的な展開だったが、視聴率は低迷した。新型コロナウイルスの影響で開幕が3カ月遅れた昨シーズン、日本テレビ系では巨人と阪神の開幕戦を放送し、視聴率は10.7%だったという。
1994年に巨人と中日が優勝を争った伝説の一戦「10.8」は、視聴率48.8%を記録した。かつては視聴率が20%を超えることも珍しくなかった地上波のプロ野球中継は年々、視聴者が離れている。BSやCS放送の普及、インターネットによるテレビ離れも大きな要因になっているが、インターネット上では放送内容を原因とする声が上がっている。
野球中継と関連のない企画や、野球に関心が高くないタレントらが出演していることに「前から思っているが、必要ない企画が多すぎる。野球中継を見る人は野球を見たいわけで、最低限の実況と解説があれば十分」、「野球と無関係な企画やプレゼントで引きつけようとするのは、視聴者のニーズが全く分かっていない」、「スポットを当ててほしいのは当然、選手や試合。プロ野球に限らず、スポーツ中継に余計なものはいらない。画面もシンプルにしてほしい」といったコメントが並んだ。
◆野球と無関係な演出や出演者
また、地上波の中継回数が少ないことに対し「野球は継続して見るから意味があるコンテンツ。たまにしか放送がないと、選手に親しみを感じられず見たいと思えない」という意見があった。
一方で、「時々でも、地上波で放送してくれるのはありがたい」、「地上波以外でも巨人戦を中継しているので、視聴者が分散するのは仕方ない」、「今は野球人気が巨人に偏っていた時代とは違う。パ・リーグの方が人気は高く、スター選手も多い中、視聴率8.8%なら健闘したのではないか」などの意見もあった。
プロ野球中継は、どんな視聴者が求めているのか。野球とは関係が薄い演出や出演者は必要なのか。テレビ局は、かつてのような「ドル箱」ではなくなったコンテンツの再考を迫られている。
スポーツメディア「New Road」編集部
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