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◆米国内でも割れる北京五輪の対応

中国の人権問題を厳しく非難するアメリカが、来年2月に北京で予定されている冬季五輪をボイコットする可能性を示した。

 

アメリカ国交省のプライス報道官は冬季五輪の対応を問われ「世界の同盟国や友好国と連携しながら議論を進めていく。力を結集することで中国政府に大きな影響を与えられる」と答えた。そして、同盟国と協議してボイコットする可能性については「まさに協議したいこと。まだ先の話なので時期は決めたくない」と述べた。

 

アメリカのバイデン政権は、中国政府による新疆ウイグル自治区で少数民族のウイグル族らに対する行為は、民族などの集団を破壊する目的で危害を加える「ジェノサイド」にあたるとして強く批判している。アメリカ議会では対中強硬派から北京五輪ボイコットを求める声がある一方、選手への影響を避けるべきと主張する慎重論もある。

 

◆米国に賛同と疑問の声

アメリカが北京五輪不参加への可能性を示唆したことに、日本国内からも様々な意見が出ている。アメリカに賛同する声としては「ジェノサイドが事実であれば、中国の行為は五輪の精神に反する。選手は気の毒だが、アメリカだけではなく参加国が連携してボイコットすべき」、「五輪の政治利用という声もあるが、これは人道上の問題。本来は参加国のボイコットではなく、IOCが開催地を北京から他の都市に変更すべき」といったものがあった。

 

一方、五輪に政治を持ち込む発言や内政干渉に疑問を投げかけ「東京五輪をめぐる北朝鮮や韓国も含めて、五輪を政治利用する動きが多すぎる。五輪の在り方を考えるときがきているのではないか」、「アメリカの主張は正論だが、アメリカに言われてもという感じ。これまでの民族に対する言動や人権問題への対応を見ると、自国に甘く他国に厳しい印象は否めない」という意見もあった。

 

五輪をめぐっては、北朝鮮が新型コロナウイルス感染リスクを理由に東京大会不参加を表明。それに対し、韓国の統一省が「東京五輪が朝鮮半島の平和と南北間の和解・協力を進展させる契機になると望んでいたが、叶わなくなり残念に思う」とコメントを発表し、日本国内からも「五輪を政治に利用すべきではない」と批判的な声が上がっていた。

 

平和の祭典といわれる五輪。五輪出場のために厳しい練習を重ねてきた選手たちが政治に翻弄される姿を見たくないのは、世界共通だろう。

By New Road 編集部

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