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◆テスト大会で五輪反対の訴え

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず緊急事態宣言が出される中、2カ月半後に迫った東京五輪のテスト大会が国立競技場で行われた。五輪のメイン会場で本番を想定し、関係者は競技場での感染対策や競技の運営手順を確認した。

 

テスト大会は無観客で開催され、海外からも選手や関係者が参加した。目立った混乱はなかったが、感染者が増加傾向にある中でのテスト大会実施や、五輪開催への疑問や不安は消えていない。

 

都内に住む人からは「リハーサルをせずに、ぶっつけ本番は不安。五輪を開催するのであれば、感染対策を講じたテストは必要」、「予定通りに開催するかの賛否はあるが、準備は進めておかなければならない。今回見つかった課題を解決して、本番に臨んでほしい」などの意見があった。

 

一方で「海外から人が来ると変異ウイルスが拡大しないか心配」、「今の感染状況でテスト大会をすることが疑問だし、医療がひっ迫し、飲食業や一部のイベントに厳しい制限がかけられる中で五輪を開催するのは矛盾を感じる」という声もあった。

 

7月の五輪開催については、複数の報道機関の世論調査で7割ほどが反対している。5日に札幌市で実施されたマラソンのテスト大会では、沿道に「五輪ムリ 現実見よ」と書かれたプラカードを掲げる人や、「オリンピック反対」と訴える人もいた。

 

◆コロナ禍 24時間テレビに賛否

人が集まる可能性があるイベントに反対する声は根強く、国や地方自治体からは自粛が呼びかけられる中、マラソンを代名詞にする夏恒例の番組への賛否も割れている。日本テレビのチャリティー番組「24時間テレビ」だ。

 

今年のメインパーソナリティーは、5人組アイドルグループ「kingPrince」に決定。会場となる東京都の両国国技館は昨年に続き無観客とし、個別の企画は後日発表されるという。

 

インターネット上では「この状況で取材や募金の呼びかけで全国各地を回ってまで放送する意味があるのか疑問。コロナ禍だからこそのチャリティーやサポートの仕方を考えた方がいいのではないか」、「コロナによって色んなものが必要かどうか見直されたり、形を変えたりしている。この番組にも、その必要性を感じる」、「会場を無観客にしたり、自粛を呼びかけたりしても、タレントを一目見ようとする人たちはいる。密集ができないか不安」などの意見が並ぶ。

 

新型コロナ感染のリスクが指摘される一方で、番組の意義を主張する人も多い。日本テレビによると、昨年の寄付金は8億6000万円余りで、福祉や災害復興などに活用されたという。短期間でこれだけの募金を集められる番組は少なく、SNSなどでは「出演者へのギャラを差し引いても、チャリティー番組として成立している」、「寄付金が新型コロナで苦労している医療従事者らの支援につながれば」など賛成意見も上がっている。

 

ただ、24時間テレビで賛否が分かれるのは「予想通り」だという。日本テレビ関係者は「コロナ以前から最近は『もう潮時』、『チャリティー番組なら出演者はノーギャラにすべき』という声が聞こえてくる。今回やらないと判断したとしても、『あきらめずに、やり方を考えろ』などの批判は出ていたはず」と話す。

 

◆番組中止できない事情が

そして、番組を簡単には中止にできない理由があると続ける。「感染のリスクを理由に番組を見送れば、他の番組への影響も大きい。当然、五輪開催には局として賛同するような報道はできないし、社が関わるイベントも開催できなくなる。それから、この番組とつながり、関係が深いタレントや事務所もあるので、簡単には中止や変更はできない」と事情を説明した。

 

昨年はV6の井ノ原快彦や、ジャニーズWESTの重岡大毅と岸優太ら、ジャニーズ事務所に所属する幅広い年代のタレントがメインパーソナリティーを務め、話題となった。新型コロナ対策として、募金も対面ではなくキャッシュレスに切り替えた。

 

番組の象徴ともいえるチャリティーマラソンは、密集を回避するため公道を走らずに、シドニー五輪金メダリストの高橋尚子氏らが走った距離に応じて募金する「募金ラン」に変更した。制作スタッフの人数も減らすなどの感染症対策も講じた。

 

注目度の高い番組だけに、世間の目も厳しくなることは避けられない。

By New Road 編集部

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