フェスは競技と一体なのか。東京五輪の競技の1つサーフィンが物議を醸している。
サーフィンは千葉県一宮町が会場となっている。競技は4日間だが、天候や波の状態によって競技ができない日があるため、日程は7月25日から8月1日まで8日間が確保されている。
議論を呼んでいるのが、この8日間の期間中、会場で毎日開催される「オリンピックサーフィンフェスティバル」だ。チケットは1枚3000円。1日単位で販売されている。会場の収容人数は6000人と密集する可能性が高い。
さらに、不安視されているのが、一般的にサーフィンのフェスティバルは酒を飲みながら競技を盛り上げる点だ。ファンも関係者も「サーフィンは競技とフェスがセット」との認識を持っていて、今回も飲食スペースやステージを使ったイベントが検討されている。
新型コロナウイルス感染のリスクから、政府は全ての五輪競技において、観客を入れる場合でも人数制限を設ける方針を示している。また、観客には「直行直帰」を求める考えだ。
そもそも、今の感染状況や政府が示す感染対策で五輪を開催することに対して、国民の納得が得られているとは言い難い。これまで飲食店には営業自粛や時短要請を求め、酒類の提供を認めても厳しい制限を設けている。そんな中で、サーフィンだけは“文化”を尊重して、飲食や飲酒をしながら競技を盛り上げることを“特例”は認められるのか。生活に我慢を強いられている国民の理解を得るのは難しいだろう。
サーフィンの会場となっている千葉県の熊谷俊人知事は「地元の一宮町も懸念しているので、組織委員会には感染リスクを最小化してもらい、県民に説明できるような形を求めたい」と話し、大会組織委員会に感染症対策を求める考えを示している。
スポーツメディア「New Road」編集部
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