私が運営しているJAPAN PADEL ACADEMYに、新メンバーが加わってくれることになりました。現在日本ランキング6位の友田選手、9位の荒川選手、14位の横山選手、15位の大久保選手。以上の4選手が加わり、男女合わせ全員がトップ30の中にいるという環境になりました。
2022年3月にアカデミーをスタートした際に手を挙げてくれた星選手、三砂選手、現王園選手、五味選手、全日本前に加入してくれた齋藤選手、そして今回私を信頼して声を掛けてくれたそれぞれの選手には、本当に感謝しています。それと同時に、良い意味でのプレッシャーと責任も感じています。
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スポーツも芸術と同じ
ちょっと大袈裟かもしれませんが、私は選手をコーチングすることが、芸術作品を作ることと似ていると思っています。陶芸でろくろを扱う際、かなり繊細に扱わないと、土台がぐしゃぐしゃになってしまう。感覚的には、あれに近い感じでいるのです。丁寧かつ繊細に扱わないと、良い焼き物が出来上がらない。これとコーチングは同じだと思っています。
これは、信頼関係があれば尚更でしょう。私が伝えたことを、選手のみんなは全力でやろうとしてくれます。ですから、下手なことや適当なことは絶対言えません。
信頼関係がなければ面従腹背よろしくで、選手たちは私の言葉も右から左へ受け流すでしょうから、そこまで心配ありません(それはそれで悲しいことですが)。ですから、勉強をやめることは出来ませんし、上手くいってもいかなくても責任を感じます。何を伝える(あるいは伝えない)のか、いつ伝えるのか、どうやって伝えるのか、そもそもその伝えようとしていることは合ってるのか。人が変わると正解が変わるので、「こうやっておけばいい」がなかなか蓄積されず、「あれを伝えておけばよかった」「あれは言わなければよかった」という反省はなくなりません。
そんな大袈裟な…と思う方がいるかもしれません。でも、選手というのは繊細な生き物です。コーチとして接していてもそう感じますし、自分自身が選手活動をしていてもそう感じる部分はあります。その意味でいうと、選手の扱いに関して若干ぞんざいな場面を時折目にすることがあり、そのたびに悲しい気持ちになります。
選手は芸術作品と同じです。テニスでもパデルでも、トッププレーヤーのプレーを見て「綺麗」とか「美しい」と感じたことがある方は少なくないはず。「すごい」「かっこいい」など何でも構いません。スポーツに、心を動かされたことありますか?綺麗な絵画や素敵な陶芸作品を見たときと同じ感情になるのですから、スポーツだって同じくらい時間と手間がかかっています。それが分かるようになってからは、良いプレーを見たとき涙が出そうになるので、必死で違うこと考えるようにしてます。
「誰に習うか」が大切
この「選手をコーチングする際のプレッシャーや責任」というのは、一般の方を指導させていただく際も同じです。スポーツに限らず、これまで自分が練習したことがあるものを振り返ってもらえば分かるでしょう。練習する際、意識していたことは何だったでしょうか。おそらく先生やコーチなど、指導者的な立場の人から教わったことや言葉ではなかったですか。そう、意識的にせよ無意識的にせよ、そういった人からの言葉が今のあなた(のプレー)を形作っています。
そう考えると、どんな分野でも最初にそれを習う指導者(の言葉)が大事になります。とはいえ、右も左も分からないという人が、どんな指導者に習ったら良いのかを見極めるのは至難の業です。私なりの考えをブログに書いていますので、これからパデル(あるいは何かのスポーツ)を習おうと考えている方は参考にご覧ください。
今年はどこかのタイミングで、パデルを学びに行きたいと思っています。 アルゼンチンに詳しい方、アルゼンチンに知り合いがいるという方がいれば、ぜひ教えてもらえたら嬉しいです。
2019年にアジア人初となるWORLD PADEL TOUR出場を果たし、2021年現在、45歳にして再度世界に挑戦中。全日本パデル選手権二連覇、アジアカップ初代チャンピオン。国内ではコーチ活動も行なっている。モットーは「温故知新」。