巨人の菅野智之選手が昨日、球団事務所で契約更改に臨み、1年契約でサインした。ポスティングシステムを使ってのメジャー移籍を断念し、巨人残留が正式に決まった。今オフには菅野の他に、日本ハムの西川遥輝選手(28)も交渉期限までに契約合意に至らなかった。
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◆過去にも岩隈や中島らポスティング不成立
ポスティングによる移籍が成立しなかったケースは過去にもあった。応札した球団があったものの、合意しなかったのは2010年オフの岩隈久志投手(楽天)、2011年の中島裕之選手(西武)、2019年の菊池涼介選手(広島)の3人。全員が所属していた球団と再契約し、岩隈と中島は翌年のシーズンオフに海外FA権を行使して大リーグに移籍している。
◆応札球団がなかったケースも
また、応札球団がなかったのは、2002年の大塚晶文投手(近鉄)、2008年の三井浩二投手(西武)、2011年の真田裕貴投手(横浜)らがいる。夢の舞台でプレーする機会を失った選手は、気持ちを切り替えてシーズンに臨むことができたのか。移籍を断念して臨んだシーズンと前年のシーズンの成績を比較してみる。
●岩隈久志(楽天)
2010年 28試合 10勝9敗、防御率2.82
2011年 17試合 6勝7敗、防御率2.42
●中島裕之(西武)
2011年 144試合 打率.297、16本塁打、100打点
2012年 136試合 打率.311、13本塁打、74打点
●菊池涼介(広島)
2019年 138試合 打率.261、13本塁打、48打点
2020年 106試合 打率.271、10本塁打、41打点
●大塚晶文(近鉄→中日)
2002年 41試合 2勝1敗22セーブ、防御率1.28
2003年 51試合 1勝3敗17セーブ、防御率2.09
●三井浩二(西武)
2008年 23試合 1勝1敗、防御率7.50
2009年 19試合 0勝1敗、防御率6.23
●真田裕貴(横浜→巨人)
2011年 53試合 2勝0敗、防御率4.22
2012年 1試合 0勝0敗、防御率 ―(登板イニング0回)
◆メジャー移籍断念で成績に影響は
投手ではメジャー移籍を断念し、中日にトレードで加入した大塚が安定した成績を残した。岩隈は防御率が前年より良くなってはいるが、序盤で長期離脱し、復帰後も球数を制限するなど、満足なシーズンとはいかなかった。野手は中島も菊池も、ポスティングが不成立だった影響を感じさせない成績を残している。
順調にいけば今シーズン中に海外FA権を取得し、西川も菅野も再びメジャー挑戦のチャンスを手にすることができる。いったん夢を封印して結果を残せば、メジャーの球団からより希望に近い条件を提示される可能性がある。そうなれば、この1年間は決して回り道とはならない。
スポーツメディア「New Road」編集部
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