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◆第2の人生を無記名で調査 平均年齢22.6歳
NPBは昨年11月に開催された「フェニックス・リーグ」に参加した選手に、引退後のセカンドキャリアに関するアンケートを実施した。12球団、計256人が対象で、91%にあたる233人から回答があった。調査方法は無記名で、平均年齢は22.6歳だった。回答した選手の内訳は次のようになった。
【プロ入り前の経歴】
高校 132人(56.7%)
大学 61人(26.2%)
社会人 23人(9.9%)
その他 11人(4.7%)
回答なし 6人(2.6%)。
【守備位置】
投手 122人(52.4%)
捕手 27人(11.6%)
内野手 49人(21.0%)
外野手 34人(14.6%)
回答なし 1人(0.4%)
◆半数が引退後に不安
回答した選手の平均年齢は22.6歳と若く、プロ野球選手としてそれほど長い期間が立っていない。一般的には社会人1年目の年齢だが、今回の調査では第2の人生をすでに心配している選手が多いことが明らかになった。引退後の生活に「不安を感じている」と答えたのは116人と半数を占め、「不安はない」の52人を大きく上回った。
その中で、99人が不安要素にあげたのが「進路」。次いで「収入面」が13人、「やりがいの喪失」が5人だった。引退後の進路について、「考えていない」と回答したのは105人で、「考えている」と「何となく考えている」を合わせた数98人より多かった。
◆引退後の進路希望 トップは「会社経営者」
では、引退後にどんな仕事に就きたいのか。トップ5は以下の通りになった。
①会社経営者 16.3%
②高校野球の指導者 15.5%
③NPB12球団の監督・コーチ 14.6%
④教員免許を取得して教師 9.9%
⑤NPB12球団のスカウト・スコアラー 9.4%
その他には、NPB12球団の職員や海外、社会人クラブでの現役続行があがった。「会社経営者」が1位になるのは、2019年に続いて2年連続。それ以前はトップ5にさえ入っていなかった。
◆10年間で考え方に変化
過去10年を見てみると、2017年までは「高校野球の指導者」、「プロ野球の指導者」、「大学・社会人の指導者」が上位を占めていた。野球界以外では、「一般企業の会社員」や「飲食店等の独立・開業」が多かった。プロ野球選手としてのキャリアより、ずっと長くなる引退後の第2の人生。野球を取り巻く環境や世代の変化により、その考え方も変わっている。
スポーツメディア「New Road」編集部
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