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◆的中1票 史上最高5億5444万円

日本中央競馬会(JRA)の払戻金記録が更新された。その金額は5億5444万6060円。今年1月11日に記録されたこれまでの最高金額4億8178万3190円を大幅に上回った。的中は1票だけだった。

 

史上初の5億円を超える払戻となったのは、JRAが指定した5つのレースの勝ち馬を全て的中させる「WIN5」。対象となったきのうのレースでは、1番人気の馬が1勝もできなかった。3レース目は10頭中、最も人気がなかった馬が優勝する大波乱の1日となった。

 

的中した人は半日で人生が変わる大金を手にすることになったが、同情の声と、馬券の仕組みに対する批判の声が高まっている。インターネット上では「この馬券を当てるために、今までどれだけ損をしてきたか。そのお金は費用として認められず、払戻金5億円の半分が税金でもっていかれるのはおかしい」、「おめでとうございます、うらやましいと思いながら、税金のことを考えるとかわいそうと感じてしまう」などのコメントが投稿された。

 

競馬や競輪、競艇などの公営ギャンブルは払戻金が一時所得の対象となる。簡単にいえば、年間50万円以上の利益に課税される。専門家によると、払戻金を受け取る人の収入次第で金額は変わるが「的中金額の半分とはいかないが、1億2000万円ほどは税金として納めることになるのではないか」と指摘する。

 

◆「税金が…」「夢を見させて」

さらに、競馬ファンからは「宝くじと比べて不公平」、「二重課税」といった現在の仕組みへの批判も強い。日本国内で販売されている宝くじやサッカーくじ「toto」に関しては、当選金がどんなに高額であっても、所得税や住民税が一切かからない非課税の所得とされている。

 

馬券を購入する際、購入金額の約10%が国庫納付金として支払われているという。国庫納付金は税金ではないが、「実質的な税金」と捉えている人もいるため「馬券の二重課税はどうかと思う。もう少し庶民に夢を見させてほしい」、「馬券が的中すると、税金の高さを痛感する」、「宝くじと同じ仕組みにならないのか」などの声が上がった。

 

一方、払戻金については、申告されていないケースが多い。会計検査院の調査では、2015年に1口1050万円以上の高額払戻金だけに限っても、約8割にあたる127億円ほどが支払われていなかった。政府は適切に微税する仕組みの整備を進めている。

By New Road 編集部

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