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◆田中不在でも6勝3敗で2位
プロ野球は開幕から3カードを消化した。パ・リーグは新型コロナウイルス感染拡大により遅れている外国人選手の合流の影響を受けるとみられていた西武が、6勝1敗1分けで首位に立っている。「史上最強の先発ローテーション」との呼び声も高い楽天は、その一角を担う田中将大が登板を回避したが、6勝3敗で2位につけている。
楽天は田中を欠きながらも、他の先発投手陣が期待通りに試合をつくり、順調なスタートを切った。一方、「大きな不安」として指摘されているのが打撃だ。
スポーツ紙の記者は「楽天を優勝候補に挙げる評論家もいるが、優勝するためには攻撃陣で“うれしい誤算”がないと難しい。他球団は開幕前から楽天打線に対しては、浅村に警戒しておけば、それほど怖くないと感じていて、シーズンが始まってからも、その印象は大きく変わっていない。打線の援護がない試合が続けば先発投手もメンタル的に追い込まれていく」とみている。
楽天の打線をけん引するのは打点王のタイトルを2度獲得し、昨シーズンは本塁打王に輝いた浅村栄斗だ。石井一久監督は、ここにディクソンとカスティーヨ、2人の新外国人を加えた中軸で得点を生み出す計算をしていた。
それだけに、春季キャンプ前に開かれた12球団監督会議後では、新型コロナの影響で外国人選手の合流がチームによってばらつきがあることに対し「仕方ない部分はあるが、全体的にフェアな条件ではないと感じる」と不満を訴えていた。
◆徹底マークで得点圏打率.100
現在、打率.423と好調な茂木栄五郎が助っ人不在の穴を埋めている。ただ、チーム打率は.226と低迷。浅村は打率こそ.269と悪くない数字だが、得点圏打率.100、1本塁打、2打点と本来の働きができていない。
新外国人の2人がコンディションを整え、日本の投手に適応するには、ある程度の時間が必要で、他球団からの浅村に対する厳しいマークは続いていくとみられる。
浅村への警戒や負担が少しでも和らぐよう、茂木らが相手投手の脅威となれるのか。また、外国人選手が早期に戦力となれるのかが、優勝争いのカギとなる。
スポーツメディア「New Road」編集部
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