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◆中断なく7回で突如打ち切り
6日に甲子園で行われた阪神と巨人による今シーズン初の伝統の一戦は、7回降雨コールドで阪神が勝利した。阪神にとっては“めぐみの雨”で、阪神ファンも喜んでいると思われたが、意外な反応が多い。
この日は試合前から雨が降り、7回裏の阪神攻撃後に審判が集まって協議した。そして、唐突に試合終了が告げられ、6-2でリードしていた阪神の勝利が決まった。試合中、何度かグラウンド整備は行われたが、中断は一度もなし。コールドゲーム宣言前に審判から説明を受けなかった巨人の原辰徳監督は三塁ベンチを飛び出すと、両手を大きく広げて抗議した。
後味の悪い結末に、巨人ファンはもちろん、阪神ファンからも疑問の声が上がっている。インターネット上では「試合を中断すると屋根のある場所に観客が集まって密になる可能性がある。新型コロナの感染リスクを考慮して中断せず突如コールドにしたのかもしれないが、巨人ファンも阪神ファンも納得がいかないだろう」、「阪神ファンだが、この打ち切り方で勝利となるのは巨人ファンに申し訳ない」、「虎ファンですが、負けている逆の立場だったら納得できない。7回で打ち切るなら巨人の攻撃が終わった7回表時点でいいわけで、そうすれば巨人としては中継ぎを余分に1人使う必要がなかった」といったコメントが並んだ。
現役時代、巨人のエースとして通算203勝を挙げ、監督も務めた堀内恒夫氏も苦言を呈した。自身のブログに「7回が終わって目を疑うような光景を見た。一言で言ってしまえば、この終わり方はダメだろう。俺はそう思っている」と書き込んだ。
その理由について「最初から雨は降っていて、こうなることは予想できたはずだ。それでも、何度も土を入れて、もっと強い雨の中をも、やり続けてきたわけだ。まずは、きちんと両軍のベンチに審判団が行って、これ以上は無理だからと説明しなきゃいかんだろうに、それをせずに、いきなり試合を終わらせるのはおかしいと思うよ」とつづった。
◆コールド判断に”ダブルスタンダード”
コールドゲームに関しては、野球規則に「球審はプレーを中断した後、少なくとも30分を経過するまでは、打ち切りを命じてはならない」と記されている。これにのっとれば、審判団が今回の決定をした経緯は間違っていることになる。
一方で、セ・リーグのアグリーメントでは「降雨が激しく試合続行が不可能と思われたときには、試合を中止することができる」としている。あいまいな基準が後味の悪さを残す形となった。
スポーツメディア「New Road」編集部
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