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◆「いてまえ」や「400フィート」

プロ野球では強力打線に愛称がつけられてきた。近鉄の「いてまえ打線」や横浜の「マシンガン打線」、日本ハムの「ビッグバン打線」は野球ファンではなくても耳にしたことがあるかもしれない。「400フィート打線」や「ダイナマイト打線」は、往年の野球ファンが懐かしさを感じるだろう。広島の「赤ヘル打線」や阪神の「猛虎打線」のように長年使われている愛称もある。

 

40年以上のときを経て、復活した愛称もある。秋山翔吾や浅村栄斗、山川穂高、森友哉らによる2018年の西武の強力打線は「山賊打線」と呼ばれた。翌年は楽天に移籍した浅村が抜けたが、上記の3人に加えて、中村剛也と外崎修汰の計5人の日本人選手が本塁打20本以上を記録する史上初の快挙を成し遂げた。

 

この山賊打線は1975年、西武の前身にあたる大洋クラブの打線に名付けられた。大洋から移籍して打線の中軸を担った選手兼監督の江藤慎一の人柄が由来とされ、球団歌の中にも「山賊打線」という歌詞が使われている。

 

このように親しまれた打線がある一方、愛称が定着しなかったものや、忘れ去られたものもある。10年ほど前に付けられた「ビッグボーイズ打線」を覚えているファンはどれくらいいるだろうか。

 

◆オリックスは「ビッグボーイズ」

長年Bクラスに沈んでいたオリックスが積極的に長距離砲の補強に乗り出し、2007年と2008年にグレッグ・ラロッカ、タフィー・ローズ、アレックス・カブレラの3選手を獲得。当時のテリー・コリンズ監督が、この3人の助っ人を「ビッグボーイズ」と名付けた。

 

2009年にはホセ・フェルナンデスが加入し、超重量カルテットは「BIG4」と呼ばれた。外国人選手の1軍登録は3人までだったが、ローズとカブレラは外国人枠を外れていたことから、4人全員を同時に起用することが可能だった。ローズが2007年から2年連続で40本塁打以上を放ち、中心を担った。

 

圧倒的な成績を残しながら、愛称がそれほど浸透しなかったものには「ダイハード打線」がある。主に2001年から3年間、ダイエー打線に名付けられた。2003年は、井口資仁、松中信彦、城島健司、ペドロ・バルデスの4選手が100打点以上を記録。さらに、5人の選手が打率トップ10に入り、チーム打率は.297と驚異的な数字を残した。

 

◆「ダイハード」に込められた意味は

当時の高塚猛球団社長が命名し、「最後まで頑張り抜くこと」を意味する「ダイハード」に「点差をつけられてもあきらめない」というメッセージが込められている。チーム名がソフトバンクになってからは「スーパーモバイル打線」や「つながる5G打線」というネーミングもあるが、地元以外ではほとんど知られていない。

 

広く知れ渡る強力打線の愛称は勲章であり、相手チームに威圧感を与える。今シーズンは新たな愛称が生まれるのだろうか。

By New Road 編集部

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