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◆チャンスで凡退後にベンチで転倒

日本ハムの中田翔が試合中にベンチ裏で転んで右目をけがしたと、栗山英樹監督が明かした。

 

中田は7日のソフトバンク戦の5回に1アウト一、二塁のチャンスで3球三振。複数のスポーツ紙によると、ベンチでバットをへし折り、その後につまずいて転倒した。栗山監督は「打てなくてイライラしていたんだろう。試合中に野球以外のところでつまずいたりするのはなしでしょ。いなくなるのは責任を果たしていない」と厳しい口調で語ったという。

 

昨シーズン4年ぶりに打点王に輝いた中田は今シーズン、打率.237、0本塁打、3打点と主軸の役割が果たせていない。チームも1勝8敗2引き分けで最下位に沈んでいる。自分への怒りをバットにぶつけ、その後に負傷するという本人にもチームにも痛手となった。

 

自身の不甲斐なさに腹を立ててけがをした選手は少なくない。記憶に新しいのが、DeNAのパットンだ。おととしの巨人戦で2点リードの8回からマウンドに上がったが、1アウトも取れずに2点を失って降板。ベンチにあった冷蔵庫を利き手の右手で殴ってけがをして、登録抹消された。

 

◆”不運な”脱臼や捻挫も

野球ファンが真っ先に思いつくのは、ソフトバンクと巨人で活躍した杉内俊哉だろう。ダイエー時代の2004年、ロッテ戦に先発して2回7失点でKOされると、ベンチの椅子を殴って両手を骨折。チームはローテーションの柱を欠く戦いを強いられた。

 

自業自得ではなく、不運なけがをした選手もいる。南海などで活躍し、プロ野球史上3位の通算567本塁打を記録した門田博光はオリックスに所属していた1989年、本塁打を放って生還し、次の打者のブーマーとハイタッチした際、右肩を脱臼した。応急処置で関節は元に戻ったが、関節回りの筋肉を傷めて約1週間戦列を離れた。この年、門田は打率3割、本塁打30本を超える活躍。優勝争いをしていたシーズン終盤に主砲を欠いたチームは、2位に終わった。

 

他にも横浜の多村仁志は2004年のシーズン開幕前、チームメートと臨んだポスター撮影でジャンプしたときに右足を捻挫した。松坂大輔は中日でプレーしていた2019年の春季キャンプで、ファンに右腕を引っ張られて肩を故障した。避けられないけがは仕方ないが、戦線離脱は本人だけの問題にとどまらない。

By New Road 編集部

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