目次

◆辻監督「もう選手がいなくなる」

西武が野戦病院と化している。10日のロッテ戦で、ドラフト4位のルーキー・若林楽人が負傷交代した。

 

2点差に迫り、なおも5回2アウト二塁の場面で打席に入った若林は5球目をスイングすると、右膝付近に自打球を当て、そのままベンチに下がった。試合も2-6で敗れ、辻発彦監督は試合後「若林が心配。これだけ故障者が…。もう選手がいなくなる」と嘆いた。

 

この日の試合前、山野辺翔の登録抹消が発表された。スポーツ紙の報道によると、6日の楽天戦で一塁にヘッドスライディングしたときに左手の指を痛めたという。

 

山野辺が負傷した翌日7日の楽天戦でプロ初本塁打を含む3安打の活躍を見せたのが、若林だった。規定打席には到達していないが打率は3割を超え、リーグトップの6盗塁をマーク。けが人が続出するチームの暗い雰囲気を振り払う活躍を見せてきた。

 

その若林までアクシデントに見舞われた。チームは主砲の山川穂高に栗山巧、外崎修汰をけがで欠き、ルーキーのブランドンは熱中症で戦線離脱。スパンジェンバーグとメヒアは新型コロナウイルス対策による2週間の隔離期間中で、すぐには合流できない。

 

2軍にいる支配下の内野手と外野手を合わせても10人に届かず、辻監督は「2軍だって、もう野手が足りないくらい。まあ、考えます」と声を絞り出して球場を後にしたという。

 

この状況に、他球団のファンからも心配と同情の声が集まっている。インターネット上では「ここまで故障者が出ると、試合よりもお祓いをしたくなるだろうな。野手の育成が上手い西武でも、選手がいなければ育てようがない」、「シーズンは始まったばかりなので何とか辛抱して戦ってほしい。今は投手陣が頑張るところ」、「敵ながら、ちょっと厳しいというレベルではない。西武の強力打線がないと、パ・リーグが盛り上がらない」などのコメントが投稿された。

 

◆ファンから「セカンド辻」待望論

そんな中、西武ファンからは「セカンド辻」の待望論が出ている。現役時代はゴールデングラブ賞を8度受賞する名手で、打撃でも首位打者にも輝いたことがある辻監督。指導者となった今もスリムな体形を維持しているため「辻監督が試合に出るしかない」、「いよいよ名手・辻が復活か」という声が上がっている。

 

これだけ多くのけが人を出しながら、西武は7勝5敗で首位・楽天と2ゲーム差の2位タイ。「辻監督の復帰待望論」が出るくらいユーモアの西武ファンには、まだ余裕がありそうだ。

By New Road 編集部

スポーツメディア「New Road」編集部 読者の皆さまの心を揺さぶる、スポーツのさまざまな情報を発信しています!