松山英樹のマスターズ優勝は様々なところで影響が出ている。祝福は日本やスポーツ界だけにとどまらない。複数のメディアは、松山が使っていたクラブやボール、身に付けていたウェアは飛ぶように売れ、早くもフィーバーになっていると伝えている。

 

国際オリンピック委員会(IOC)も松山の快挙を称えている。公式ツイッターに松山のマスターズ制覇のニュースを載せ、その経歴なども紹介している。

 

ただ、公式ツイッターアカウントで「東京五輪で日本の旗手は誰が務めるのでしょうか」と投稿したことに一部で批判の声が上がっている。この中で、松山の他に女子テニスの大坂なおみの名前も挙げ「それとも他の選手になるのか」と書き込んでいる。

 

一方、松山は優勝を決めた後の会見で、東京五輪について、このように話している。聖火台の点火役を打診されたら受けるか問われ「僕はやらないです。試合のスケジュールも考えて、タイミングがあったらやるかもしれないが、現実的ではない」。

 

今回の優勝で東京五輪に重圧を感じるかとの質問に対しては「それはどうか分からないが、まず五輪がちゃんと開催されるであれば当然狙いたいが、きょうの経験は、これからの人生で必ずプラスになると思うので、よかったなと思う」と答えた。

 

松山は聖火の役割を「現実的ではない」とし、東京五輪出場には「ちゃんと開催されるのであれば」と大前提をつけた上で話している。

 

IOCの“前のめり”な投稿に、日本国内からは「アスリートを利用するような言動はやめてもらいたい」、「松山選手の会見を見れば、五輪に慎重なのが分かるはず」という意見が上がった。

 

また、インターネット上ではIOCが競泳の池江璃花子が100メートルバタフライで優勝し、東京五輪内定を決めたときにも素早く反応したことにも触れ「五輪の機運を高めようと必死。日本国民が開催を反対している理由は新型コロナなので、その対策を考え、そもそも開催に問題ないのかを考えることに注力するべきではないか」、「アスリートの姿が感動を呼ぶことと、コロナ禍で五輪を開催することを一括りにしないでもらいたい」などのコメントがあった。

 

東京五輪まで3カ月あまりとなった。しかし、新型コロナ感染拡大は歯止めがかからず、複数のメディアによる世論調査では開催に反対する国民が大半を占めている。

By New Road 編集部

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