◆5回3失点 28連勝でストップ

8年ぶりに楽天に復帰した田中将大が、17日の日本ハム戦で2722日ぶりに日本のマウンドに立った。初回2アウトから近藤健介にストレートの四球を許した後、4番の中田翔に2ランを被弾。2回には石井一成にソロを浴び、5回3失点で負け投手となった。

 

田中が日本で登板するのは、開幕から無傷の24連勝で伝説となった2013年以来だった。当初は今シーズンの開幕2戦目に先発する予定だったが、右ふくらはぎを痛めて登板回避。3週間遅れで自身の開幕を迎えた。

 

今シーズン初登板は黒星となり、2012年8月から続いていた国内での連勝記録は「28」で止まった。しかし、チーム内からは安どの声も漏れている。

 

コーチの1人は「日本での田中の記憶は2013年で止まっている。あの年のような神がかった成績を残すのは現実的ではなく、大きすぎる期待は田中本人にもチームにもマイナスになる。故障明けで、年齢的にも無理をさせられない状況の中、完ぺきな投球を続けて勝ち続けると、田中は無理をしてしまい、長期離脱ということにもなりかねない。本人は投げる試合を全て勝つ気持ちや責任感を持っているだろうが、シーズン全体で見れば、早いうちに黒星が1つついてよかったのではないか」と話す。

 

また、別のチームスタッフは「2013年に田中と一緒にプレーした選手はチーム内にほとんどいない。記録だけでしか田中のことを知らなかった選手にとって、田中は別世界の選手という意識が消えていないので、『田中さんでも負ける、本塁打を打たれる』とわかって距離感が近づくのではないか。過熱気味の報道も、1つ負けたことで少し落ち着いて、田中のストレスや重圧も減ると思う」と前向きにとらえている。

 

2本の本塁打を許したものの、3回以降は制球が安定して無失点に抑えた田中。「連勝記録」から解放された次の登板で、白星を手にしたいところだ。

By New Road 編集部

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