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◆楽天・田中の勝率.686
8年ぶりに日本球界に復帰した楽天の田中将大は、17日の日本ハム戦に今シーズン初先発し、5回3失点で黒星を喫した。2012年8月から続いていた日本での連勝記録は「28」でストップした。
田中は楽天に所属していた2013年、開幕から24連勝と勝率10割でシーズンを終えた。“負けない男”として伝説を残し、海を渡った。
通算投球回2000イニングを対象とした日本プロ野球の歴代記録で、通算勝率が7割を超えた選手はいない。1942年から1955年まで、巨人などでプレーした藤本英雄の勝率.697が歴代最高。田中は今シーズン開幕までの時点で、日本では通算1315回に登板し、勝率.739(99勝35敗)。メジャーでは1054回1/3を投げて、勝率.629(78勝46敗)。日米の成績を合わせると、2369回1/3を投げて、177勝81敗の勝率.686となっている。
田中は日本を代表する“負けない投手”だが、メジャーの“負けない投手”といえばドジャースのクレイトン・カーショーだ。17日(日本時間18日)のパドレス戦では、6回2安打、無失点で今シーズン3勝目(1敗)をマーク。ダルビッシュ有との投げ合いを制した。
カーショーは今シーズン開幕前までで、メジャー通算13年間で354試合、2333回を投げて175勝76敗。勝率.697は現役トップだ。2位のステファン・ストラスバーグ(ナショナルズ)の勝率.655、3位のマックス・シャーザー(ナショナルズ)の勝率.653に大差をつけている。
◆ピンチで強いメジャーの”負けない男”
サイ・ヤング賞3回をはじめ、最多勝や最優秀防御率、最多奪三振など数々のタイトルを手にしているカーショー。あらゆる数字が長けているのは言うまでもないが、中でも“負けない”理由となっているのが、ピンチでの強さだ。通算被打率.208に対して、ランナーを背負うと同.195と低くなる。さらに、注目すべき点は走者別の数字。簡単には失点を許さず、ピンチを最小限で食い止める強さが表れている。
(左が通算被打率/右は2アウトでの被打率)
【一塁】 .219/.152
【二塁】 .214/.163
【三塁】 .190/137
【一、二塁】 .188/.139
【一、三塁】 .181/.187
【二、三塁】 .142/.082
【満塁】 .190/.163
特に強さを見せているのが2アウトからの投球。一、三塁でわずかに被打率が上がっている以外は、全てで数字を下げている。同じ安打や失点でも、2アウトからはチームへのダメージが大きい。そこでギアを上げ、傷口を広げないところがカーショーの強さであり、チームから信頼を得られる大きな理由となっている。
先発投手として安定感は、球数別の被打率(左)と被出塁率(右)が示している。
【1~25球】 .207/.260
【26~50球】 .210/.258
【51~75球】 .213/.266
【76~100球】 .202/.259
【101球以上】 .203/.273
球数による数字のばらつきがないことも、カーショーの長所だ。先発投手にとって鬼門と言われる立ち上がりも、疲れが出始める中盤以降も、被打率、被出塁率ともに崩れていない。
立ち上がりや援護を受けた直後のイニング、さらに走者を背負ったときの投球。こうした場面で強さを見せるのは、田中も同じ。プレーする国が違っても、勝てる投手の条件といえる。
スポーツメディア「New Road」編集部
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