目次

◆世論調査は開催に反対多数

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、東京五輪の聖火リレーは沿道での観覧自粛を呼び掛けたり、密集を避けるためにルートを変更したりして続いている。

 

新型コロナの新規感染者は、大阪や兵庫では新規感染者が過去最多を更新するなど、全国的に増加傾向にある。3度目の緊急事態の可能性も浮上し、開幕まで100日を切った東京五輪を開催できるのか疑問の声も上がっている。

 

複数の報道機関による世論調査では、新型コロナ収束の兆しが見えない現状で東京五輪を開催することに対し、「反対」が大半を占めている。

 

世論の理解を得られないまま、政府は「安心・安全」な形での開催に向けて、準備を進めている。この状況に複雑な思いを抱えているのが、アスリートたちだ。

 

スポーツ紙の五輪担当記者によると、五輪出場切符を手にした選手の中には「本当に五輪に出ていいのか答えが出ない。自分たちは4年間、五輪のために全てをかけてきたが、不要不急の外出自粛が呼びかけられている中で、世の中の人にとって五輪は不要不急なのか疑問に感じているはず」と話す選手がいるという。

 

五輪を開催すれば、海外から選手や関係者が来日する。そこから日本に感染が広がる可能性や、日本から海外の人へ感染する恐れもある。

 

◆選手も政府も相当な覚悟必要

この五輪内定選手は、開催するのであれば、選手も政府も相当な覚悟が必要とし「例えば選手の感染が確認されたら、その競技はすぐに中止するくらいじゃないと日本の国民は納得しない。それがオリンピックに強い影響力を持つアメリカで人気の競技や、アメリカ人が金メダル確実といわれる競技であっても。五輪前や期間中にどんな感染症対策をするのか、開催か中止かの明確な基準などを事前に示す必要がある。中途半端は許されない」と語った。

 

地元東京での五輪開催を最も願っているはずのアスリートからも、開催への疑問や不安は消えていない。

By New Road 編集部

スポーツメディア「New Road」編集部 読者の皆さまの心を揺さぶる、スポーツのさまざまな情報を発信しています!