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◆「性的対象」に抗議するユニ

スイスのバーゼルで21日から行われているヨーロッパ体操競技選手権は、競技以外の部分が話題となっている。ドイツのサラ・ヴォスが「性的対象」とされることに抗議し、上半身は手首まで、下半身は足首までを覆ったユニホームで出場した。

 

ドイツの体操チームはSNSで「女性スポーツ選手が不快感を抱くユニホームを着なくても演技できることを模範として示した。性的な対象として扱われることへの抗議」と説明している。

 

ヴォスの行動を受け、同じドイツの選手2人も23日の演技で全身を覆ったユニホームを着用した。このニュースをヨーロッパのメディアが報道する中、英国のBBCも取り上げた。国際大会では今まで、宗教的な理由を除いて足を隠すことはなかったこと。さらに、ヴォスは自身の決断を誇りに思い、母国の体操連盟もサポートしていることなどを伝えた。

 

ヴォスは露出の多い体操のユニホームについて「幼いころは体のラインが出ていても大した問題だと思っていなかったが、年齢を重ねるにつれ抵抗が大きくなった」と地元メディアの取材に応えている。「心地良いユニホームで演技したい」と思い、全身を覆うボディースーツを選んだという。

 

◆選手2人が同調 SNSに賛同の声

この日、ヴォスと同じようにボディースーツで演技をしたドイツ人のキム・ブイは大会の初日、一般的なレオタードを着用していた。個人総合5位に入ったエリザベト・ザイツも同様で「レオタードの代わりにボディースーツを着たのは重要なシグナル」と話している。

 

ヴォスは自身のインスタグラムにボディースーツで演技した写真を載せ、「心地悪さを感じるレオタードで演技したくない」との思いもつづった。これに対し「ボディースーツに全く違和感はなかった。上品に感じた」、「スポーツ界の慣習を破ろうとする行動を支持します」、「素晴らしい。応援しています」など、賛同するコメントが寄せられた。

 

日本でも、女性アスリートが「性的対象」とされる問題は深刻だ。体操選手やバレーボール選手、競泳選手らに対する撮影マナーやモラルが問題視されていて、日本代表の経験を持つ元選手らが声を上げている。

By New Road 編集部

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