女子テニスの大坂なおみが31日、全仏オープンの2回戦を棄権することを自身のツイッターで発表した。また、鬱病の症状に悩まされていたことを告白。「オフィシャルな場所で話すのが元々得意なタイプではなく、世界中のメディアを前に話すことに大きな不安を抱えるようになっていた」と打ち明けた。
大坂は30日の1回戦を勝利した後の記者会見を拒否。1万5000ドル(約165万円)の罰金を科せられた。さらに、すべての四大大会主催者から連名で「(今後も記者会見に応じない場合は)全仏の失格、他の四大大会出場停止などにもつながりかねない」と警告されていた。
大坂は今回の全仏前に精神面で脆くなっていたため、「いくつかのルールは時代遅れだと思い、それを強調する」ためにも、「アスリートのメンタルケアが整っていない」として、試合後の記者会見に応じないことを表明した。ただ、この決断が大きな波紋を呼び、「数日前に(記者会見をしないと)発表をした時にこんな状況を想像していなかった」と胸中を吐露。「大会、ほかの選手、私の健康のためにも棄権が最良の選択だと思う。大会を邪魔する要因になりたくはない」と全仏オープンを棄権する理由を明かした。
大坂の全仏棄権、鬱病告白に多くのアスリートから激励のメッセージが送られる中、J1・神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが1日、大坂のツイッターを引用し、「共感しよう、参加しよう、助けよう。ナオミ頑張って!」とリツイートした。イニエスタは昨年公開されたドキュメンタリー映像や自身の自伝で、スペイン1部の強豪バルセロナで活躍していた09年に鬱病発症したことを告白している。
SNS、ネット上では、「彼女(大坂)に対しては微妙というか自分の中じゃ賛否両論って感じだったけど批判意見の方が強くて少し可哀想な気がしていたから、イニエスタがこういうコメント出してくれてホッとした」、「イニエスタが発信してくれたことで鬱病に対する理解が進めばいいな。本当にありがたい」と感謝のコメントが多く寄せられた。
スポーツメディア「New Road」編集部
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