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◆ボランティアのユニ受け取りで問題点
東京五輪開幕まで1カ月半となる中、大会ボランティアが困惑している。会場で着るユニホームを受け取れていないのだ。
全国に約8万人いる大会ボランティアへのユニホーム配布は、東京で5月12日から始まった。大会組織委員会は競技場がある北海道や福島県、茨城県などの公共施設や大学に受け取り会場を設置した。
東京は6月末まで受け取りが可能だが、その他の地域は5月から7月の間に数日間が指定されただけ。指定された期間に会場に行けなかった場合、ボランティアが東京へユニホームを取りに行く仕組みとなっている。受け取りには本人確認が必要で、交通費は自己負担だ。
ところが、茨城県に住むボランティアの中には、受け取り期間が過ぎてから案内が届いたという。組織委員会からは、東京に取りくるように指示を受けた。東京には現在も緊急事態宣言が出されていて、外出自粛が呼びかけられている。
国の感染症対策と逆行するなどと感じ、五輪開催に否定的な国民が多い中、ボランティアの対応をめぐっても疑問の声が上がっている。
SNSなどでは「あまりにも矛盾している。組織委員会も国も何が何でも五輪を開催することしか見えていない」、「取りに来いという組織委員会のスタンスが、東京五輪をめぐって世論と大きなギャップがあることを象徴している」、「キャッシュカードやクレジットカードは、本人限定で受け取る方法がある。ユニホームを郵送できないのだろうか」といった意見が出ている。
◆ユニホーム移動にも不安
ボランティアからは、他にも不安の声が上がっている。自宅から会場へ移動する際は、ユニホームを着用するよう組織委員会から求められている。ユニホームを着て公共交通機関を利用する人は少なくない。いまだ五輪開催に反対する声は大きいため、ボランティアが非難の対象となる恐れもある。
さらに、ボランティアのワクチン接種に関しても賛否が巻き起こっている。仮に無観客での開催になったとしても一定の人数が集まる会場で、ボランティアの感染や、クラスター発生のリスクは避けられない。一方で、ワクチン接種が進んでいない状況で、ボランティアが優先的に接種することに対しては、世論の支持が得られるかは不透明だ。
大会ボランティアに参加予定の男性は「たくさんの不安要素がある中で、ボランティアをする意味はあるのか迷っている。国民の7割が反対する五輪で大会をサポートすることは、人の助けになっていると言えるのか疑問」と戸惑いを隠せない。複数の報道機関は、ボランティアの辞退者がすでに1万人を超えていると伝えている。
スポーツメディア「New Road」編集部
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