慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏が9日、自身のYouTubeチャンネルを更新し、五輪開催に言及した内容が大きな反響を呼んでいる。
竹中氏は五輪開催を支持する1つ目の理由として、「オリンピック・パラリンピックは国内イベントではないということです。世界のイベントなんです。従って本来ならば日本の国内事情でこの世界的なイベントを止めるというのは、やはりこれはあってはいけないことだと思います。日本としては国際的な責任を果たすために国内事情をしっかりとコントロールしながら実行に移す責任がある。それが実は日本で開催されるオリンピック・パラリンピックの本質的な問題だという風に思うんです」と語った。
2つめの理由として、今回の東京五輪の状況に類似した1920年のアントワープオリンピックを取り上げ、「1918年から数年間、世界はスペイン風邪というパンデミックに襲われました。しかしこのパンデミックの中でベルギーのアントワープでの五輪はきちっとやられました。パンデミックだからやめたということではなかったわけです。このスペイン風邪というパンデミックは、はっきり言って今の新型コロナウイルスの影響とは比べものにならないほど大きなものでした。当時の地球の人口が20億人のうち5億人が感染されているというふうに言われているんです。そして感染した5億人のうち、10分の1の4000、5000万人が亡くなった。それでもオリンピック・パラリンピックをやろうと、やったわけです」と力説。東京五輪に言及し、「他の欧米諸国に比べて影響がまだ少なくて済んでいるわけですから、ここはやはしっかりとして実施すべきだと私は思います」と力説した。
3つ目の理由が接種の進んでいるワクチンだ。「この数か月の間にコロナ問題に対する世界の認識は大幅に変わったということです。日本では依然として人流を抑えるためにどうこうという話をしていますけど私の認識ではイギリスやアメリカでは、もうそんな議論はしておりません」とワクチンの接種率が高い諸外国はコロナの感染が収束していることを説明。「日本でもワクチンが急速に普及し始めました。私も第1回目のワクチンを先日してきました。今やるべきことはワクチンを普及させること、そして国際的責任を果たすために日本は今このオリンピック・パラリンピックを万全の対策を講じながらきっちりとやり抜くこと。それが私は日本の責任であるし、これは日本にとっても、よいことだと思います」と語った。
SNS、ネット上ではこの動画について批判的な声が多い。「そんな迂回した説明をさんざん繰り返すより、国民の大半がパソナ会長だからでしょ、って思っているわけですから、そこのところを説明しないことには、あなたは何を言ってもバッシングされるわけです。パソナの五輪利権を事細かに白日のもとにさらすことこそ、あなたのような政商の説明責任なのです」、「スペイン風邪の正体は、インフルエンザだったと言われていますが、ウィルスの概念が理解されてない百年前の事を引きあいに出すのはナンセンス。同じ様に犠牲を出してでもオリンピックを開催するべきだと言う理由にはならない」などのコメントが。
五輪開催に向け、政府の今後の動向が注目される。
スポーツメディア「New Road」編集部
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