「Bicycle Motocross」を略した自転車競技の1つBMX。直径20インチか24インチの太い車輪の自転車で競技する。
種目にはコースで順位を争う「レース」と、技の難易度を競う「フリースタイル」がある。レースは2008年の北京五輪から正式種目となり、フリースタイルは東京五輪の新種目となっている。
BMXは主に10代前半から20代前半の選手が活躍していて、1970年前後にアメリカの西海岸で始まったとされている。オートバイのモトクロスレースに憧れた子どもたちが、それをまねて自転車でジャンプ台や坂を走ったという。
世界的には米国が最も盛んだが、ロードレースが人気のヨーロッパの他にも、オーストラリアや中南米でも競技人口が多い。人気に火をつけたきっかけが1971年に公開された映画「栄光のライダー」だった。全米各地で日曜日に開催されているオートバイのレースをテーマにした映画で、オープニングで子どもたちがモトクロスレースのように自転車を乗り回すシーンが話題となった。
さらに、競技を普及させた映画は1982年公開の「E.T.」と言われている。子どもたちが載っていたBMXが注目され、映画が大ヒットした日本でもBMXが広がった。
東京五輪では男女それぞれ2人ずつ、計4人が日本代表に内定している。レーシングは男子が長迫吉拓、女子は畠山紗英。東京五輪から正式種目となるフリースタイルは男子が中村輪夢、女子は大池水杜が出場する。
畠山は5月にイタリアで行われたワールドカップシリーズ第1戦・女子エリートクラスで3位に入った。日本人選手がワールドカップの表彰台に立つのは初めてだ。世界18カ国から43人が出場した世界トップレベルの舞台で、2年ぶりの国際大会となった畠山は、全体トップのタイムで決勝に進出した。決勝ではスタートで遅れたが、3位でゴール。東京五輪へ弾みをつける快挙を達成している。
スポーツメディア「New Road」編集部
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