政府が7月以降の大規模イベントの観客数を会場収容人数の50%以下であれば、1万人を上限とする方向で最終調整に入ったと複数の報道機関が伝えている。16日に開く専門家らによるコロナ対策分科会の意見を聞いた上で最終的な判断をする方針だが、これが基準となれば7月23日に開幕する東京五輪の観客は最大1万人が入ることになる。
この方針について、疑問の声が上がっている。その理由は、これまでの菅義偉総理の発言だ。開催に向けて意欲を見せている東京五輪について「IOC(国際オリンピック委員会)が権限を持っております」、「私自身は主催者ではない」と述べてきた。開催の決定権がない中、五輪を見越して観客数の上限を決めることに違和感を持つ国民は多い。
インターネット上では「五輪の開催可否に権限がないと言いながら、観客数は政府が決めるのであれば、会場で感染者が出た時の責任は政府が取るという認識でいいのか」、「五輪を開催する、観客を入れるという結論ありきで理由を都合よく理由を後付けするのだろうか。映画館みたいに営業自粛を強いられたところもあるのに、五輪の時期は観客の上限を増やすのは矛盾している」などのコメントが並んだ。
東京五輪について「安心・安全」を繰り返す政府の言葉は、国民に届かず空虚に響いている。
スポーツメディア「New Road」編集部
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