1960年、第1回目となるローマ大会からパラリンピックで実施されてきた陸上競技。走・跳・投で複数の種目が行われる、中にはオリンピックとは異なるものもある。そんな陸上競技について、東京2020パラリンピックでの観戦をより楽しむために、競技概要や見どころなどを詳しく解説しよう。

目次

陸上競技の概要

パラリンピックの陸上競技は視覚障がいや知的障がい、運動機能障がいなど幅広い障がいを持つ選手を対象とり、競技種目は「トラック」「フィールド」「マラソン」に分けられる。障がいが多岐にわたるためクラス分け制度を採用し、公平にレースが行えるようにしているのだ。オリンピックとは違って義足や車いすを使用したり、ガイドランナーをつけたりすることが可能となっている。

東京2020パラリンピックでの実施種目

東京2020パラリンピックでは走・跳・投それぞれ、全体で167にもおよぶ実施種目がある。この種目数は、パランリンピックの中でも最多だ。また、実施種目は参加選手数やクラスによって大会ごとに変更されるため、固定されていない。パラリンピックで行われる独自の種目は、以下の通りとなっている。

<トラック競技>

ユニバーサルリレー:異なる障がいを持つ男女4人のリレー

フィールド競技>

こん棒投げ:ボウリングのピンのような棒をできるだけ遠くに飛ばす競技

陸上競技の見どころ

選手たちは障がいに応じて義足や車いすを用いたり、ガイドをつけたりして競技に臨む。例えば義足用パーツには大きな反発力・推進力を得るための素材や技術が注ぎ込まれており、ガイドとは強い信頼関係も求められる。競技結果はもちろんだが、こうした独自の点についても見どころの一つである。

なお、リオパラリンピックでは数多くの日本人選手が入賞した実績のある陸上競技。東京2020パラリンピックでは男子148人と女子106人の計254人が日本代表として出場するが、メダルの期待がかかっている。特に日本代表で「金メダルに近い男」と言われているのが、車いすクラスの佐藤友祈選手。佐藤選手は世界選手権において、男子400m1500mで世界記録を保持している選手だ。

クラスと内容

パラリンピックにおいて、陸上競技のクラスは、アルファベットの「T」または「F」と2桁の数字を用いて表記される。「T」はトラック競技・跳躍競技・マラソン、「F」は投てき競技を示すものだ。また、10の位は障がいの種類を表し、1の位の数字が小さいほど障がいが重くなる。なお、東京2020大会の公式ホームページによれば、具体的なクラスの内容は以下の通りだ。

  • T/F11T/F12T/F13:視覚障がいがある選手のクラス。
  • T/F20:知的障がいがある選手のクラス。
  • T/F30:脳性まひまたは脳損傷に起因する協調運動障害(アテトーゼ、運動失調および/または筋緊張)がある選手のクラス。
  • F31T/F32T/F33T/F34:車いすまたは投てきフレームを使用
  • T/F35T/F36T/F37T/F38 :立位で競技を行う
  • T/F40T/F41:低身長症の選手のクラス
  • T/F42T/F43T/F44:下肢欠損、脚長差、下肢の筋力低下、下肢の他動間接可動域制限がある選手が立位で競技を行う
  • T/F45T/F46T47:上肢欠損、上肢の筋力低下、上肢の他動間接可動域制限がある選手が立位で競技を行う
  • T/F51T/F52T/F53T/F54F55F56F57:頸髄損傷、脊髄損傷、切断、機能障害などにより、筋力低下、可動域制限、下肢欠損、脚長差がある選手が車いすまたは投てきフレームを使用して競技を行う
  • T/F61T/F62T/F63T/F64:下肢欠損の選手が義足を使用して立位で競技を行う

出典:東京2020大会公式ホームページ

東京2020パラリンピックでの競技スケジュール

東京2020パラリンピックにおいて、陸上競技は以下日程で実際される。

  • 827日 9:3012:5019:0022:00
  • 828日 9:3012:5019:0022:00
  • 829日 9:3012:5019:0022:05
  • 830日 9:3013:0019:0022:00
  • 831日 9:3012:4519:0022:05
  • 91日  9:3012:4019:0021:50
  • 929:3012:5519:0022:05
  • 93日  9:3012:5519:0021:55
  • 94日  9:3012:4019:0022:00
  • 95日  6:3011:30

まとめ

陸上競技はパラリンピックの中でもっとも種目が多い。独自の競技種目もあるほか、義足や車いすなどの使用、ガイドとの協力なども見どころの一つである。日本人選手にもメダル獲得の期待がかかり、ぜひ見逃さず観戦したい競技と言えるだろう。

▼参考
東京2020大会公式ホームページ
NHK 東京2020パラリンピックサイト

By New Road 編集部

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