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◆FAの目玉「チーム愛」で残留

今オフはFA戦線で目玉として去就が注目されていた中日・大野雄大、ヤクルト・山田哲人が早々と残留を決断した。共に権利を行使すれば複数球団による争奪戦は必至の状況だったが、「チーム愛」を貫いた形となった。

 

「株式会社J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)氏はロッテ、ヤクルト、DeNAでコンディショニングトレーナーを歴任してきた。今年は新型コロナウイルスの影響で、開幕が3カ月遅れて120試合制で行われるなど例年と全く異なるシーズンだった。遠征中も外食に行けない日々が続き、自分と向き合う時間が増えただろう。

 

◆新型コロナ FAの決断に影響か

J.T.氏はこの時間がFAの決断にも影響を及ぼしたのではないかと指摘する。「大野投手と山田選手はそれぞれの思いが会って決断したのだと思います」と前置きした上で、「コロナ禍を経験したことで、改めて野球をできる環境面というのを個々の選手が考えたのではないでしょうか。ベストのパフォーマンスを発揮するためにはグラウンドだけでなく、生活する環境も重要です。FA権を取得した選手は知らない土地に行く怖さや違うチームに行った時のメリット、デメリットを色々考えたと思います」と分析する。

 

ヤクルトは山田だけでなく、FA権を保有していた守護神の石山泰稚も残留を決断した。新人の時から知っているJ.T.氏は「ヤマハからドラフト1位で入ってきて、即戦力という自覚を持った選手でした。普段はおとなしいけど、自分のペースを守って黙々とやるタイプで芯の強さがあった。石山に代わる守護神はなかなかいないので残留はチームにとって大きな朗報だと思います」。最下位からの逆襲へ。高津ヤクルトの投打の軸が今後もキーマンになるだろう。

By New Road 編集部

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