突然ですが、皆さんは普段、息抜きなどされていますでしょうか。毎日家に帰ってからの字時間、仕事が休みの日、お昼休憩のタイミング、連休や長期休みをとっての旅行、家族と過ごす時間など…。自分の好きなことをして過ごすのは、毎日をより良くしていくために、または仕事の質を上げていくためにも重要だと思います。

好きなことを仕事としている私たちプロスポーツ選手でも、息抜きというのはとても大切です。皆さんも趣味の時間ばかりやっていると、そのうち飽きてしまいますよね。いくら好きでたまらないことでも、高い質を保っていくためには、定期的に距離を置く時間を設ける必要があります。

特にトライアスロンは、シーズンが3月頃から11月頃までと長期に渡ります。そのため、「シーズン中の息抜きの仕方」が重要になってくるのです。今回はシーズン中の息抜きについて、私自身を例に挙げてご紹介します。特に私は一人暮らしということもあり、放っておくと競技一辺倒の生活になってしまうので(それも別に構わないのですが)、ここでの内容は意識的に生活へ取り入れるようにしています。

目次

毎日行うもの|読書、ラジオを聴く

読書に関して、毎日必ず5分は時間を取って行うようにしています。寝る前に時間を作ることが多いですが、私の場合は生活していると、頭の中が常にトライアスロンのことでいっぱいです。

「今食べているものは何に効くのか?」

「今日の練習の動きはどうだったか?」

「レースに向けた残り時間は?」

「今の姿勢は理想のものだったか?」

「疲労具合はどうか?」

「睡眠は足りているか?」

…など。体が資本なだけに、常にそんなことを考えてしまいます。

しかし、読書をしているときだけは、意識がすべて読書に向きます。私は小説を好んで読むことが多いので、読書中は物語の世界に没頭し、半強制的にトライアスロンから意識を切り離せています。

また、ラジオに関は朝起きてから、練習の準備をする間によく聴いています。最初は、ただ情報を仕入れるためだけに聴いていました。しかし、知らぬ間に聴くこと自体に面白みを感じるようになったのです。テレビだと視線を持って行かれてしまうため、道具の準備や準備運動、ウォーミングアップのときには向きません。一方、ラジオなら聞き流すだけでいいので、情報収集と娯楽のツールとして重宝しています。恐らく、音楽を聴きながら何か作業をするという方は多いでしょう。私のラジオの活用方法は、まさにそれと同じです。

ちなみに、私は練習が始まったら、ラジオや歌詞のある音楽は聴かないことにしています。なぜなら、思考がそちらに引っ張られてしまい、動きに意識が向かなくなるからです。

毎週〜毎月くらいで行うもの|週に一度は好きな物を食べる、銭湯に行く

これは、私の中で「プチ贅沢」に分類されることをやるようにしています。食事に関して言えば、普段は味よりも体作りのために必要な物を摂取し、不要な物を削ぎ落とす様な食生活をしています。そのため、好きな物を食べるということはほとんどありません。だからこそ、週に一度は栄養も金額も(ある程度)無視して、好きな物を食べる日を定めています。

食というのは、体を作る物であると同時に、楽しむべき物でもあります。ですから、辛さを感じると生活の質も落ちてきてしまうものです。もちろん、毎日「何が必要か?」を考えながら料理するのも楽しいのですが、どうせなら美味しい物を食べたい!というのが人の性でしょう。

そして、昔から広いお風呂に入るのが好きなので、銭湯にも行きます。疲労回復の観点からも良いことなので、これは隔週〜月1回ほど。最近はお風呂に入った後、銭湯にある漫画コーナーでのんびりと漫画を読むところまでが、セットでの娯楽になっています。

年に数回(オフシーズンなど)行うもの|友人と食事、旅行

こちらは年に1回程度、オフシーズンにしか行えないことです。スポーツ選手という職業柄、休みが不定期のため、なかなか「人と予定を合わせて何かする」というのは難しい立場になります。ですから、レースの動いていないオフシーズン中は普段の優先順位を逆転させ、旅行や予定のために練習を変更する期間を設けて、とにかく普段できないことをする期間を設けています。

海外遠征の多い私は、旅行に似たようなことを頻繁にやっているではないかとよく言われます。しかし、トライアスロンのために行く遠征と、ただ遊びに行くためだけの旅行では、心持ちやテンションがかなり変わってきます。

ちなみに、私は旅が好きです。自分の知らない土地に行って、知らない物に触れ、新しい何かを知れる。これは、何物にも変え難い最高の娯楽だと思っています。

でも、やっぱりトライアスロンに関わる時間が1番楽しい

ここまで、私の行っている息抜きについてご紹介しました。スポーツ選手は体が資本のため、食事、睡眠、休養など、生活のほぼすべてが競技に直結する大事な要素になります。ですから、日々の生活の合間を縫って実行できることを、趣味にする選手が多いように感じます。

ちなみに、私が今まで他の選手から聞いた中で1番多かった趣味は、「コーヒーにこだわりを持つこと」です。人によっては毎朝飲む物ですし、遠征先にも持っていけます。また、その土地のものを手に入れるのもいいし、素敵な趣味ですよね。

しかし、これだけご紹介しましたが、やはりトライアスロンに関することをやっているときが1番楽しいと感じます。

  • 練習で上手くいった、いかなかった
  • 新しいトレーニング方法を学んだ
  • あの選手がこんな結果を残した
  • 次のレースで勝つためには何をするべきか
  • 練習でできないことができるようになった
  • 昨日より少しだけ強くなった

…など、挙げ始めたらキリがありません。こういった楽しいという気持ちを高いレベルで保ち続けるためにも、トライアスロン以外の時間を設けることは非常に重要だと考えています。皆さんも、競技している方なら競技力アップのため、そうでない方は仕事や日々の生活の質を上げるためにも、趣味の時間を意識的に設けてみてはいかがでしょうか。

By 古山 大 (ふるやま たいし)

1995年4月28日生まれ、東京都出身。流通経済大学を卒業後は実業団チームに所属。2020年1月に独立し、プロトライアスロン選手として活動。株式会社セクダム所属。 <主な戦績> 2015年「日本学生トライアスロン選手権」優勝 2017年「日本U23トライアスロン選手権」優勝 2018年「アジアU23トライアスロン選手権」2位 2019年「茨城国体」3位、「日本選手権」11位 2021年「日本トライアスロン選手権」4位

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