成長(混乱⁈)が止まらない世界のパデル界ですが、2024年も変わらず変化の年となりそうです。

目次

終わりと始まり

2013年から始まったWORLD PADEL TOUR(以下WPT)が2023年に幕を閉じました。WPTの前身だったPRO PADEL TOUR(以下PPT)と合わせると18年。WPTの存在がなければここまで世界的にパデルが普及することはなかったでしょう。今年からは敵対関係にあった別のプロツアー「PREMIER PADEL(以下PP)」と合併し、国際パデル連盟(以下FIP)を母体に持つパデル界最大のツアーとなりました。(詳しくはこちらの記事をご覧ください

終わるツアーがあったかと思えば2024年から始まるツアーもあります。それがスペイン国内を中心に開催されるUltimate Padel Tour(以下UPT)です。日本のJリーグに例えるなら、PPがJ1、UPTがJ2やJ3のようなイメージでしょうか。

新しくスタートしたツアーではあるものの、現在(2月中旬)開催されているラ・コルーニャ大会に出場している選手の多くは去年までWPTに出場していた選手がほとんどで、すでにレベルはかなり高いツアーとなっています。

日本人選手待望のプロツアー

PP、UPT、そして私が去年アルゼンチンで出場したA1PADEL(以下A1)のどれもレベルはかなり高く、またツアーが開催されているのが主にヨーロッパや南米や中東で、日本人選手が参加するのには色々とハードルが高いのが現状です。

そんななか去年の11月に第1回大会が開催されたAsia Pacific Padel Tour(以下APPT)が今年から本格的にスタートします。
このツアーはアジア圏を中心に開催されるプロツアーで、今年はすでにフィリピン、ベトナム、中国、香港、インドネシアで開催されることが決定しています。

今年から私はこのAPPTをメインに活動する予定で、来月開催のベトナムから出場しようと思っています。このAPPTはまだヨーロッパや南米の強い選手を惹きつけるほどのツアーとはなっていませんが、それでもそういった地域の選手が何名かエントリーしていますし、アジア圏のトップ選手の多くが参戦しており、今後日本人選手にとって得るものが大きいツアーとなりそうです。

アメリカではパデルのプロリーグが設立

同じく今年から本格的にスタートしそうなのが、アメリカで開催されているPRO PADEL LEAGUE(以下PPL)。このリーグは去年から開催されていたのですが今年は10チームに増え、さらに各チーム現役トップ選手や引退した元トップ選手を迎え入れており、かなりレベルの高いリーグとなりそうです。またニューヨークヤンキースとA1が提携したこともパデル界では話題となっており、アメリカでもパデルの波が広がりつつあります。

今回ご紹介したPP(FIP)、UPT、A1、APPT、PPLの他にも各国で公式戦が開催されていますし、資金が潤沢にあるビッグクラブでは賞金付きのトーナメントなども開催されています。
若い日本のトップ選手などはそういった情報をいち早く仕入れ行動に移しています。
私も置いていかれないようキャッチアップしながらもう少し選手活動を楽しみたいと思います。

ベテラン世界大会

最後に私のようなベテラン世代のプレーヤーに朗報があります。今年の4月にスペインでFIP SENIORS WORLD PADEL CHAMPIONSHIPS(以下SWPC)が開催されます。これは35歳以上の選手たちで世界一を争うベテランの世界大会です。一般の部の世界大会同様2年に一度開催され、団体戦で勝敗を決します。去年全国ベテラン大会45歳以上の部で優勝し代表に選ばれましたが、4月に開催されるAPPTと日程がかぶってしまったため今回私は参加を辞退しました。

ベテラン日本代表に選ばれるためには毎年11月に開催される全国ベテランパデル大会で決勝に進出する必要があり、その条件を達成すれば出場資格が得られます。(2023年)2度目の青春ではないですが楽しみながらこれを目標に頑張って練習されているベテラン愛好家の方もたくさんいらっしゃいます。

パデルはラケットスポーツ経験者であればすぐに楽しめるスポーツです。アラフォー、アラフィフ、アラ還の皆さん、今春からパデル始めてみませんか。

By 庄山 大輔 (しょうやま だいすけ)

2019年にアジア人初となるWORLD PADEL TOUR出場を果たし、2021年現在、45歳にして再度世界に挑戦中。全日本パデル選手権二連覇、アジアカップ初代チャンピオン。国内ではコーチ活動も行なっている。モットーは「温故知新」。

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