マラソンのスピードトレーニングとして有名なインターバル走。トップアスリートもよく行っているトレーニングであり、特に記録向上を目指すシリアスランナーなら一度は取り組んだことがあるでしょう。しかし、意外と知られていないが、インターバル走には目的や効果の異なるいくつかの種類があります。そこで、本記事では具体的に5つのバリエーションを取り上げ、距離設定の目安や期待できる効果などを解説します。

目次

インターバル走を行う際のポイント

インターバル走は、速いスピードでの疾走と短めの休息を交互に行うトレーニングです。スピード持久力や心肺機能強化、フォーム改善などさまざまな効果が期待できます。その効果を最大限に得るためには、以下のようなポイントを踏まえて取り組みましょう。

ペースを落とさない

よく起こりがちなのが、最初の数本を思い切りペースを上げて走ってしまい、後半になって失速するというパターンです。しかし、インターバル走はできるだけ、最後までペースを落とすことなく走り切りましょう。最初は余裕のあるペースでも、本数を重ねることでキツく感じてくるはずです。もし余力が残ってしまうようなら、力を出し切れるよう最後の数本でペースアップしてください。

心拍を目安にする

昨今は心拍計測のできるウォッチを使うランナーが増えました。もし持っているのなら、インターバル走では心拍状態を目安にペースコントロールしてみましょう。おおむね、最大心拍数の80~90%程度になるペースで走ります。なお、最大心拍数については、正確ではありませんが「220-年齢」で算出してください。

休息を設ける

インターバル走は休息が大切です。長く休み過ぎても、逆に休みを短くし過ぎてもいけません。走って弾んだ呼吸が整う程度を目安として休み、水分補給等もこのタイミングで取り入れながら行いましょう。具体的な休息時間は、後ほどトレーニング方法と共にご紹介します。

本数は走力に応じて無理なく調整する

インターバル走は疾走と休息を交互に行いますが、適切な本数は走力等によって異なります。まずは少ない本数から始め、スピードを出すのに慣れてきたら少しずつ増やしていきましょう。無理な本数を設定すると怪我してしまったり、ペースが維持できず効果が低減してしまったりする可能性があります。

インターバル走のバリエーション

インターバル走にもいくつか種類があり、それぞれ距離や休息時間、そしてトレーニングによって期待できる効果が異なります。以下に5つご紹介しますので、ご自身の目的や課題に合ったものを取り入れてみてください。

1)ショートインターバル

フォーム改善や心拍機能強化に繋がります。距離および休息は、以下を目安に設定して行いましょう。初めてインターバル走を始める方は、まずショートインターバルから慣れるのがおすすめです。

・距離:200~600m
・休息: 100~200mもしくは1分~1分半

ミドルインターバル

主に、スピード持久力の強化が期待できます。下記の距離および休息を目安に行いましょう。

・距離:800~2000m
・休息:200~400mのウォークorジョグ

ロングインターバル

ミドルインターバルと同じスピード持久力に加え、筋持久力の強化も期待できます。下記の距離および休息を目安に行ってください。

・距離:3000~4000m
・休息:600m~800mのウォークorジョグ

変則インターバル

通常のインターバル走で得られる効果に加え、距離に応じてペースが変わることで、ペース変化への対応能力など実践的な能力が身につきます。以下例のように異なる距離を組み合わせ、ペースは距離に応じて調整してください。

・組み合わせ例:3000m+1000m、400m+800m+1000m+800m+400m 等

休息の取り方が難しいですが、「呼吸が落ち着く程度」を目安にすると良いでしょう。

クルーズインターバル

あまり知られていない種類ですが、スピード持久力の強化が期待できるインターバル走です。ただし、他のインターバル走と比べると、走るペースはやや遅くなります。以下の距離と休息を目安として、疾走時は「40分程度を走り続けられるペース(閾値ペース)」で走りましょう。

・距離:1500~3000m
・休息:1~2分

マラソンシーズンを終え、次シーズンに向けて追い込んだトレーニングを導入するランナーが増えてくるでしょう。ぜひインターバル走を取り入れ、レベルアップを目指してみてはいかがでしょうか。ただし、インターバル走は負荷の高いトレーニングのため、あまり高頻度では行わないようにしてください。休息を入れて疲労が溜まらないように気を付けつつ、週1~2回程度で実施してみましょう。

By 三河 賢文 (みかわ まさふみ)

“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かした技術指導も担う。ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。

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