大相撲初場所は中日を迎えた。最大の注目は貴景勝の綱取りだったが、重圧からか持ち味の鋭い立ち合いや突き押しは見られず、初日から4連敗で早々と“終戦”。勝ち越しさえ危うい状況に追い込まれている。
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◆両横綱不在 綱取り貴景勝も“終戦”
今場所は、白鵬は新型コロナウイルスに感染し、鶴竜は腰のけがで休場。3場所連続で横綱不在となったことに加えて、新型コロナの影響で力士65人が全休と異例の事態となっている。
◆三役7人撃破し8連勝で勝ち越し 大栄翔が主役に
頼みの綱だった貴景勝が振るわず、三役も大関・正代以外は存在感を示すことができていない。場所の盛り上がりを欠きそうな中、救世主となっていのは前頭筆頭の大栄翔だ。初日に大関・朝乃山を下すと、2日目に貴景勝を撃破。その勢いは止まらず、三役7人全てから白星。きょうは前頭6枚目の輝に攻め込まれながら、土俵際でうまく対応して白星。8連勝で優勝争いの単独トップに立ち、場所の主役となっている。
◆決まり手も強さを証明
そして、相撲の内容も申し分ない。格上相手の7日目までの決まり手が証明している。
①大関・朝乃山(押し出し)
②大関・貴景勝(はたき込み)
③大関・正代(突き出し)
④小結・御嶽海(突き出し)
⑤小結・高安(押し出し)
⑥関脇・照ノ富士(押し出し)
⑦関脇・隆の勝(押し出し)
⑧前頭6 輝(とったり)
◆突き押しの比率がバロメーター
大栄翔の持ち味は突き押し。相手にまわしを取らせず、一気に勝負をつける。過去6場所の決まり手を見ると、半分は「押し出し」で、17%が「突き出し」。2つを合わせると、3勝のうち2勝が突き押しで相手を土俵の外に出している計算になる。その傾向がさらに顕著となっている今場所は、本来の相撲で白星を手にしている証。格上相手に挙げた7勝のうち6勝を「押し出し」か「突き出し」で決めている。
◆“レジェンド”元横綱が三役に苦言
ただ、大栄翔の陰に隠れて、上位陣が勝ち星を伸ばせていない状況に苦言を呈している“レジェンド”がいる。元横綱・朝青龍だ。幕内最高優勝25回。全盛期は憎たらしいほどの圧倒的な強さを見せた大横綱は自身のツイッターで「こんなレベルで横綱白鵬またまた優勝できるね。横綱頑張れ」、「皆弱い!客に失礼!!」、「若々しく動きなし!!土俵に上がるな!!失礼!!」などと厳しい意見を並べた。
◆ネットは朝青龍“待望論”
この投稿に対し、インターネット上で多くの相撲ファンが反応している。「まだまだ白鵬時代は続きますね」、「朝青龍さんが土俵に上がったら今でも三役くらいなら勝てちゃうかも」、「横綱がいた相撲界が何だかんだ1番楽しかった」、「ワクワクする力士がいない」などと土俵外の話題で盛り上がっている。
朝青龍はツイッターで「大栄翔はどうですか?」と質問され、「殊勲賞、敢闘賞、技能賞でしょ」と答えている。無傷の8連勝で場所の救世主となっている大栄翔は、朝青龍の予想通り三賞を総なめするのか。それとも、全勝で賜杯を手にして、大横綱の予想を超える活躍を見せるのか。その時、辛口の朝青龍は何とつぶやくのか。大栄翔の取り組みと併せて注目したい。
スポーツメディア「New Road」編集部
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