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牧田和久の公式Instagramより(手前から与座、牧田、高橋)
www.instagram.com/k.makita_53/?hl=ja
楽天の牧田和久投手が仙台市内で、先週まで10日間合同自主トレを行った。メンバーは、ソフトバンクの高橋礼投手と西武の与座海人投手。3人全員がアンダースローという異色のトレーニングとなった。牧田は自身のインスタグラムで「本当に内容の濃い自主トレとなりました!高橋礼くん、与座海人くん、みんなそれぞれ違うモノがあり楽しかったです」と充実感をにじませた。
◆アンダースロー現役4人だけ
投手は全てのプロ野球選手のうち半数ほどを占めるが、いつの時代もアンダースローは珍しい。現役選手では牧田、高橋、与座の3人の他に、オリックスの新人・中川颯投手しかいない(阪神・青柳晃洋投手はアンダースローとサイドスローの中間「クオータースロー」に分類)。
◆通算200勝達成は2人
独特のフォームで記憶に残るアンダースロー。さらに、記録も残した名投手がいる。その筆頭は阪急の黄金期を築いた山田久志。通算284勝は歴代7位、アンダースローとしては1位だ。シンカーを武器に、タイトルは最多勝3回、最優秀防御率2回を獲得している。1976年から3年連続MVPを手にしている。これはプロ野球史上、オリックスのイチローと2人しかいない。
アンダースローで、もう1人通算200勝を達成したのが南海の皆川睦雄。1971年に引退するまで、通算221勝をマーク。1968年には31勝10敗(27完投)、防御率1.61で最多勝と最優秀防御率の2冠に輝いている。
◆「世界一低い」地上数センチ
記録以上に、美しい投球フォームで記憶を残したのはロッテで活躍した渡辺俊介。2ケタ勝利を3回達成するなど、通算87勝。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも、2006年の第1回から2大会連続で選ばれ、日本の連覇に貢献した。渡辺の特徴は「世界一低い」と称されたリリースポイント。その高さは地面から数センチ。時には地面に指を擦ることもあった。
◆親子でアンダースローのプロ選手
「絶滅危惧種」とも言われるほど珍しい投球フォームにもかかわらず、親子でアンダースローだったプロ野球選手もいた。会田照夫と有志の親子。ヤクルトでプレーした父・照夫は、体をひねったトルネード投法で通算29勝を挙げた。そして、息子はアンダースローを継承。2005年の大学生・社会人ドラフト7巡目で巨人から指名され、2年間で3勝をマークした。親子でプロ野球選手になるだけでも貴重な中、ともにアンダースローという珍しいケースだ。
◆メジャーには「コリアンサブマリン」
メジャーリーグで有名なのは、「コリアンサブマリン」と呼ばれた金炳賢。2011年には楽天でもプレーしたが、150キロを超える速球を武器にダイヤモンドバックスなどに所属し、メジャー通算54勝、86セーブをマークした。
◆日米とも年々減少 現役は希少
他には、アスレチックスなどで通算561試合に登板したチャド・ブラッドフォードや、タイガースに所属した1996年から2年連続で80試合以上に登板したマイク・マイヤーズ。メジャーのアンダースローは、ほとんどが中継ぎ投手だ。
メジャーでもアンダースローの投手は年々少なくなり、現役選手で継続して結果を残しているのは、オフにブレーブスをFAとなったダレン・オデイくらいだろう。昨シーズンは全て中継ぎで19試合に登板して、4勝0敗、防御率1.10。メジャー13年間で604試合に登板している。
牧田ら日本人の現役サブマリンは、偉大な先輩たちの記録にどこまで近づけるのか。その功績が「絶滅危惧種」を守ることにつながっていく。
スポーツメディア「New Road」編集部
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