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◆平成の怪物には1200個のチョコ
あすは2月14日、バレンタインデー。プロ野球のキャンプ地には例年、多くの女性ファンがお目当ての選手にチョコレートを手渡す。しかし、新型コロナウイルス感染対策の一環で、今年のキャンプは無観客。選手もチョコレートを直接受け取る楽しみがなくなり、寂しさを感じているだろう。
毎年のように、チームや球界で一番多くのチョコを手にする選手が誰なのか注目される。最近では、DeNAの守護神・山崎康晃が370個をもらって話題となった。もう少し過去にさかのぼると、思い出されるのは平成の怪物・松坂大輔だ。ルーキーだった1999年、キャンプをしていた高知県の宿舎には約1000個のチョコが届いた。所沢市の球団事務所にも200個。計1200個のチョコを食べきることはできず、無駄にもできないため、高知市内の児童養護施設にプレゼントしている。
◆西武黄金期のトップは2000個
西武では、もっとすごい時代があった。黄金期の1980年代から90年代にかけ、工藤公康や清原和博、秋山幸二らスター選手がチョコの数を競った。その中でトップを譲らなかったのが渡辺久信。「最高で2000個もらったことがある」と話している。当時は西武以外でも、日本ハムの西崎幸広やロッテの牛島和彦ら、1000個を超える選手も少なくなかった。
◆あだ名が「チョコ」になった投手
この時代に1000個以上を受け取り、あだ名が「チョコ」になったのは、ロッテの前田幸長。プロ1年目の1989年、届いたチョコがベッドの上に山積みなったのを見た投手コーチに「きょうからお前はチョコ」と命名された。前田は「自分では数えていないが、1500個くらいと聞いた。次の年は500個に減って、3年目、4年目はいくつきたのか覚えていないくらい減った」と回想している。
親会社が菓子メーカーのロッテは、「あなたがチョコを渡したい選手」を企画している。実際にチョコを送るのではなく、投票によって順位を決める。2019年は、成田翔が4万2875票を集めてトップ。中間発表で負けていた2位の藤原恭大を逆転でかわし、3年連続1位に輝いた。
ここ数年増えているのは、選手がファンにプレゼントする「逆チョコ」だ。ソフトバンクはキャンプ地で、練習の合間に男女を問わず手渡しするのが恒例となっている。巨人は抽選で選ばれた女性ファンに、坂本勇人や小林誠司、岡本和真らがチョコをプレゼントしてきた。限られた人数のため1人1人に手渡しして、記念撮影を行うなど、ファンは夢のようなひと時を味わった。
選手もファンもワクワクするキャンプ地で迎えるバレンタインデー。新型コロナの影響で、恒例のイベントも来年に持ち越しとなった。
スポーツメディア「New Road」編集部
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