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◆西武・渡部にお菓子「禁止令」
プロ野球の開幕まで2週間余りとなった。12球団の新人の中で、オフに話題となった選手の1人が、西武のドラフト1位・渡部健人。大きな体が注目となった理由だ。
桐蔭横浜大学では通算45本塁打を記録したスラッガーだが、年明けに入寮した際の体重は118kg。ドラフト指名から2カ月余りで6kg増量した。球団からはお菓子を控えるよう「禁止令」が出たという。
球界には100kg以上の体重を生かしたパワーで、チームの中心選手になっている選手もいる。体格の話題が先行しがちだが、100kgを超える渡部の先輩選手たちはプロ1年目、どんな成績を残してきたのか。渡部と同じ大学、社会人出身野手の成績をプロフィールの体重が重い順に見ていきたい。
◎井上晴哉(ロッテ)180cm/114kg
日本生命から2013年のドラフト5位で入団。オープン戦で打率.435、2本塁打、7打点。ドラフト制度が始まってから初めて新人の首位打者に輝いた。開幕戦はルーキーとして、チーム64年ぶりとなる4番に抜擢。しかし、1軍の高い壁に跳ね返され、36試合で打率.211、2本塁打、7打点。2軍では58試合に出場して、打率.377、14本塁打、46打点と圧倒的な打力を見せつけた。
◎岩見雅紀(楽天)187cm/108kg
慶応大学から2017年のドラフト2位で入団。開幕は2軍で迎えたが、3、4月のリーグ月間MVPを獲得し、5月に1軍デビュー。しかし、1軍では結果を残せず、12試合で24打数0安打。2軍では113試合に出場して、打率.284、14本塁打、42打点でチーム三冠王となった。
◎山川穂高(西武)176cm/103kg
富士大学から2013年のドラフト2位で入団。2軍では5月の月間MVPに選出され、6月に1軍デビューした。ただ、定着はできず、14試合で打率.100、2本塁打、3打点に終わった。フレッシュオールスターズでは4番に座り、本塁打を含む2安打を記録して優秀選手賞を受賞。2軍では77試合で、リーグ最多の21本塁打、打率.321(リーグ5位)62打点(リーグ2位)の好成績を残した。
◎頓宮裕真(オリックス)182cm/103kg
亜細亜大学から2018年のドラフト2位で入団。オープン戦での打撃が評価されて、開幕1軍入り。開幕戦は5番・三塁で先発した。その第1打席で2点適時打を放ちプロ初安打と初打点をマーク。4月には2本の本塁打を記録したが、打撃が安定せず、1軍と2軍を行ったり来たりのシーズンとなった。2軍では26試合で、打率.275、3本塁打、11打点だった。
◎杉本裕太郎(オリックス)190cm/102kg
JR西日本から2015年のドラフト10位で入団。1軍デビューは果たしたが、出場はわずか1試合。けがも重なり、2軍でも48試合で、打率.226、3本塁打、11打点と不本意なシーズンとなった。
◆2軍ではプロ1年目から好成績
高卒ルーキーで体重100kgを超えていた選手の代表といえば、日本ハムの中田翔(184cm/107kg)。プロ1年目の2008年は、内野守備を強化するチーム方針もあって、1軍に昇格することはなかった。ただ、2軍では左手の骨折で戦線離脱した時期がありながら、82試合で、打率.326(リーグ2位)、30本塁打(リーグ1位)、95打点(リーグ1位)と格の違いを見せつけた。
球界の第一線で活躍する選手が、2軍ではプロ1年目から存在感を示していたことが分かる。足で勝負できず、守備位置も限られる100kg超のスラッガーは、突出した打力がなければ生き残ることは難しい。特に、即戦力と期待される大卒のドラフト上位選手は、1年目から結果が求められている。
スポーツメディア「New Road」編集部
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