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◆総理や大臣経験者に元五輪選手も

元タレントの森下千里氏(39)が次期衆議院選挙の宮城5区から自民党公認候補として立候補する動きが報じられた。総選挙は今年秋までに必ず実施される。菅義偉総理は、新型コロナウイルスの感染状況や東京オリンピックの動向などを見極めて判断することになる。

 

選挙ではタレントの候補者が話題となるが、元スポーツ選手の出馬も賛否が分かれる。元オリンピック選手から国会議員への転身は少なくない。

 

当選13回、現在は財務大臣を務める麻生太郎衆院議員は、1976年のモントリオール大会にクレー射撃で出場している。その3年後、衆院選に初当選して政界入り。総務大臣や自民党幹事長などを歴任し、第92代総理大臣。誰もが知っている大物政治家だ。

 

文部科学大臣を務めた経験もある馳浩衆院議員は、1984年のロサンゼルス五輪に出場し、その後プロレスラーとして活躍した。1995年に参院選石川選挙区から出馬して初当選。2000年に参院議員を辞職して、衆院石川1区から出馬して当選した。2006年に議員活動と並行していたプロレスラーを引退し、政治家に専念している。

 

オリンピック・パラリンピック担当大臣から大会組織員会の会長に就任した橋本聖子氏は、オリンピック選手からの転身したことで有名だ。1992年のアルベールビル冬季五輪のスピードスケート女子1500mで銅メダルを獲得。夏季は自転車競技で日の丸を背負った。夏と冬合わせて、7度も五輪に出場している。

 

1995年に参院選の比例区に自民党から立候補して初当選。翌年のアトランタ五輪は、現職の国会議員として自転車競技2種目に出場している。この大会を最後に現役退いて議員に専念した。

 

◆「レジェンド」と「キング」は1期だけ

オリンピックのレジェンド、女子柔道の谷亮子も政界進出を果たしている。1992年のバルセロナから2008年の北京まで5大会連続で出場し、金2つ、銀2つ、銅1つ、全ての大会でメダルを獲得している。

 

そして、2010年に参院選の比例区に民主党から出馬して初当選。改選を迎えた2016年の選挙には出馬せず、その後も政界には復帰していない。

 

現役時代は「キング・オブ・スキー」と称えられ、団体で金メダル2つを手にしたノルディック複合の荻原健司は、引退後の2004年に参院選の比例区に自民党から立候補して初当選。2007年の第1次安倍改造内閣で経済産業大臣政務官に任命された。しかし、スポーツ界への復帰を理由に、1期で政界から退いた。

 

朝日健太郎参院議員は、2008年の北京大会で日本人初勝利を挙げた。2012年のロンドン大会にも出場。現役引退後の2016年の参院選で東京都選挙区から自民党公認で出馬して初当選した。現在1期目の現職だ。

 

収束の兆しがみえない新型コロナ。開催が不透明な東京オリンピック。衆院議員の任期が10月に迫る中、菅総理は解散のカードを切るのか。新型コロナで世界的な危機に直面している状況で、政治家に転身する元オリンピック選手やスポーツ選手が現れるのかも注目だ。

By New Road 編集部

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