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◆観客は「5月か6月に判断」
国際オリンピック委員会(IOC)の定例総会で、バッハ会長の再選が決まった。2期目となる4年間のかじ取りを担うことになる。他に立候補した人がいなかったため、信任投票で過半数の得票を獲得したバッハ会長の再選が決定した。有効投票は賛成93、反対1(棄権4)だった。
バッハ会長は冒頭のあいさつで「東京は最も準備が整ったオリンピック開催都市であり続けている。今の時点で、7月23日に開会式が行われることを疑う理由はない。問題はオリンピックを開催するかどうかではなく、どのようにして開催するか」と改めて予定通りの開催を強調。「安全で安心な形での開催」を約束した。海外の観客については「5月か6月に判断したい」と話した。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は、バッハ会長の再選を祝福し「東京大会開催に向け大変心強く思っています。バッハ会長がおっしゃったように、今夏の大会が世界中の人々にとって長く・暗いトンネルの先に見える一筋の光となるよう、組織委員会一同、安全安心な大会開催に向けて引き続き尽力してまいります」とコメントしている。
海外でもバッハ会長の再選は伝えられた。その多くは「他に候補者がいないので当然の結果」、「今回のオリンピックは異例続き。オリンピックまで4カ月となって、IOCの会長が再選しなかったら、さらに混乱を生む」など、“当然の結果”を冷静に受け止めた。
◆バッハ会長のコメントに皮肉
ただ、「予定通りの開催を疑う理由はない」、「問題はオリンピックを開催するかどうかではなく、どのようにして開催するか」との発言には皮肉を込めたコメントも目立った。インターネット上では「バッハ会長は誰にとって安全か言及していない。おそらく来日する全ての外国人の安全を指しているのだろう。なぜなら、誰も日本には行かないのだから」、「再選されたバッハ会長は東京オリンピックが安全だと約束した。それを聞いた私の母は、守れない約束をしてはいけませんよと私に話した」といったコメントが並んだ。
また、カナダが昨年3月に新型コロナウイルス感染のリスクを理由に、2020年のオリンピックを延期しなければ参加しないと表明し、他の国も賛同する動きがあったことから「今回のバッハ会長の発言を聞いて、出場を辞退するアスリートや不参加の国が出てくるのではないか。多くの国が出場を見送ったり、大国が不参加になったりすれば、IOCにも計算していたお金が入らなくなり、中止せざるを得なくなるのではないか」との意見もあった。
スポーツメディア「New Road」編集部
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